【フルリール】活動団体リモートインタビュー

「あなたが輝く地域活動の見つけ方 活動団体リモートインタビュー」第12弾をお届けします♪

今回は、とつか区民活動センター登録団体『フルリール』の真行さんに、センタースタッフが地域での活動を考えている方の気持ちになってインタビューさせていただきました。

「あなたが輝く地域活動の見つけ方 活動団体リモートインタビュー」

Q.「フルリール」の真行さん、本日はよろしくお願いします。活動の対象になっている「カサンドラ症候群」とはどのような事ですか?

A.発達障害特性のあるパートナーの言動や行動(情緒的関係が築けない等)が、パートナー関係や家庭生活に影響を与えるために生じる身体的・精神的症状を指します。

具体的な症状として、抑うつ、不安障害、無気力、不眠、対人恐怖、摂食障害、生理不順、自尊感情低下などが多く見られます。

この症状が周囲に理解され難いことから、ギリシャ神話で、神アポロンから予知能力を周囲に信じてもらえない呪いをかけられた女性「カサンドラ」の名前を由来にしています。米精神医学会の診断基準(DSM-5)には含まれておらず、正式な病名ではありません。

 

Q.団体が立ち上がった経緯や活動の目的などを教えてください。

A.私は、アスペルガー症候群の特性があるパートナーとの暮らしの中で生じる悩みを、長い間、周囲に理解されず苦しみ、カサンドラ症候群に陥った経験を持っています。

回復後、かつての私のように、ひとりで悩みを抱えているカサンドラ症候群当事者(カサンドラ)が多く存在しているのでは、と思い、ひとりで抱えるには重すぎる悩みを、同じ体験をしているからこそわかちあえる「場」をつくろうと決意しました。

カサンドラの笑顔が花開くようにとの思いを込めて、会の名称をフランス語で「花開く」という意味の「フルリール」とし、2014年9月からセルフヘルプグループ活動を開始しました。

 

Q.活動日や活動場所について教えてください。

A.カサンドラ当事者が参加できる、言いっぱなし、聴きっぱなしの会「カサンドラかたりば」を毎月5回程度開催しています。

会場は、とつか区民活動センターのほか、神奈川県社会福祉協議会、神奈川区社会福祉協議会、また、オンライン(Zoom)でも実施しています。その他、カサンドラ症候群や発達障害に関する講座なども実施しています。

 

Q.「カサンドラかたりば」に参加希望の場合、なにか条件がありますか?入会金や年会費、資格が必要であれば教えてください。

A.カサンドラ当事者であれば、どなたでもご参加できます。入会金や年会費は必要ありません。ご参加される場合、一回につき500円以上のご寄付をお願いしています。

 

Q.「カサンドラかたりば」には何人くらい参加されますか?

A.「カサンドラかたりば」へは、毎回、利用施設側が決めたお部屋の定員数を超えるお申込みがあります。よって、大変心苦しいのですが、ご希望の方が全員参加できない状況です。会場によって、5名~30名程度のご参加があります。

 

Q.「カサンドラかたりば」どのような雰囲気なのでしょうか。

A.時には涙し、時には笑い、あたたかい共感の時間が流れています。

 

Q.「カサンドラかたりば」に参加された後の反応はいかがでしょうか?

A.皆様からは、「長い間探し求めた共感に包まれ涙した」「ひとりではない心強さを得た」「参加を重ねることで回復を実感した」「もっと早くから参加していれば良かった」などの喜びの声を多く頂いています。

 

Q.「カサンドラかたりば」だけではなく、関連した講座も実施されているとのことですが、様子をお聞かせください。

A.毎年、カサンドラ症候群からの回復講座を実施しています。2021年度は7月から毎月開催しています。

その他に、発達障害特性により金銭面の見通しを立てることが難しいパートナーを持ち、家計管理がうまくいかないご家庭に対して、ファイナンシャルプランナーによる「家計講座」の開催や「大人の発達障害」に関する講座も開催しています。 また、パートナー関係のありかたのヒントを得ていただくため、東京大学名誉教授で社会学者である上野千鶴子先生をお招きしての講座も開催しました。

 

Q.講座の参加者は何人くらいでしたか?

A.講座も人気が高く、毎回定員に達するお申込みがあります。大規模な講座ですと200名くらいです。

 

Q.その講座には、一般の方も参加

できますか?

A.一般の方もご参加可能です。

講座の内容によっては、カサンドラ症候群当事者限定のものもあります。

 

Q.「フルリール」の魅力について教えてください。

A.「フルリール」は、「お互いを尊重する」というルールを守っていただける方にご参加いただいております。

否定、非難、価値観の押し付けは「フルリール」には存在しません。「共感にあふれ、あたたかく、ほっとする場」であることがフルリールの魅力だと感じています。だからこそ、「カサンドラかたりば」には、今までに2500名を超える方のご参加があり、年々参加者が増え続けているのだと考えております。

 

Q.今までの活動の中で、やりがいや嬉しかったエピソードなどがあれば、教えてください。

A.フルリールにご参加され、笑顔を取り戻された方々のお姿に触れた時、活動を続けてきて良かったと嬉しく感じます。

 

Q.「フルリール」の運営メンバーとして活動している方は何人いらっしゃいますか?

A.私を含め10名で運営しています。全員無償のボランティアスタッフです。

 

Q.新型コロナウイルスの影響で活動にどのような変化がありましたか?

A.従来、「カサンドラかたりば」は対面形式で実施していましたが、Zoomによるオンライン形式でも行うことにしました。

その結果、北海道や九州をはじめとし、横浜から遠いエリアからのご参加も増えました。コロナ禍は、オンライン活用のきっかけを与えられたと前向きに捉えています。

終息後は皆さんで集まって、大規模なリアル交流会を計画しています。講座に関しても、今後はオンラインの導入を考えています。

 

Q.フルリールの活動を知らない方もいらっしゃると思います。もっと知って頂くために、どんな事をしていますか?

A.広報にかける資金がありませんので、「フルリール」のサイトやTwitterを活用しています。

今年に入り、NHKの番組で2回「フルリール」をご紹介していただき、ご覧になった方からのお問い合わせが多くありました。また、昨年、私が出版したカサンドラ関連書籍をお読みになった方のご参加も増えています。

この記事をご覧になった皆様、周囲にカサンドラ症候群と思われる方がいらっしゃいましたら、ぜひ「フルリール」をご案内してください。

また、この度、新組織「カサンドラサポートステーション」を立ち上げ、2021年11月から事業を開始いたしました。今後「フルリール」のセルフヘルプグループ活動は、「カサンドラサポートステーション」の事業の一環として継続して行います。

 

このインタビュー記事をご覧になって、「フルリール」の皆さんにもっと質問してみたい方、見学ご希望の方は、次の連絡先までご連絡いただきますようお願いいたします。

☆「フルリール」

fleurir.since2014@gmail.com 

☆「カサンドラサポートステーション」

公式HP:https://minnataisetunahito.org/cassandra-support/

お問い合わせフォーム   

 

☆とつか区民活動センター  電話:045-825-6773   FAX:045-825-6774

【開館時間】    火曜から金曜 :9時〜21時

土曜、日曜、祝日(月曜日以外):9時〜17時

HPのお問い合わせフォームからのご連絡も賜っております。